水虫の正体は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ(真菌)の一種です。
白癬菌は、人の皮膚や爪・毛に入り込んで寄生し、かゆみや水疱、脱毛などさまざまな症状を引き起こします。
そして病気の発症する部位によって、病名がつけられています。
- 頭部白癬(別名:しらくも)
- 体部白癬(別名:たむし)
- 股部白癬(別名:いんきんたむし)
- 手白癬(別名:手の水虫)
- 足白癬
- 爪白癬(別名:爪の水虫)
一般的に「水虫」と呼ばれているのは、足に生じる白癬、つまり足白癬のことです。そして爪に発症することを爪白癬と言い、爪水虫とも呼ばれています。
爪水虫は、白癬菌が爪の中に棲みついて引き起こされる病気で、長い間水虫を放置していたり、中途半端な治療をしていると、手や足の水虫から爪に白癬菌が入り込み発症します。
周りの人の手や足を見てみると、皮膚がカサカサして硬くなっている人や爪が厚くなったり、白や黄色に濁っていたりしている人がいると思います。
たとえかゆみなどの自覚症状はなくても水虫の可能性があります。
単なる老化現象だと誤った判断をして、実は身の回りに水虫菌をばら撒いていることに気づいていない方が多いのが現状です。
また、水虫だと気付いていても人に知られたくない、恥ずかしくて病院に行けない、冬になればかゆみも減るからそれまで我慢しようという方もたくさんいます。
しかし、症状が消えても、水虫菌は冬の間はじっと潜んでいて、暖かくなる次の年に再び活動を始めます。ですから治療しなければ水虫は、まず治りません。
それどころか、この症状を繰り返しているうちに慢性化して足の裏が硬くなる角質増殖型の水虫や爪の水虫に変化していきます。
爪水虫の主な症状として手や足の爪が変形するため見た目が気になるという方が多いです。
靴下が破けたり、靴が履きづらかったり、歩くときに痛みを感じることもあるので趣味に影響があるという方もいます。また、力が入らずに仕事に支障が出たり、細かい作業もしにくくになったり、爪を切りにくいという方もいます。
女性の場合は、マニキュアが塗りづらい、爪が出るようなサンダルを履けないなどの悩みを抱えています。
過去の調査結果では、日本には2500万人の水虫患者がいて、そのうちの半数に爪水虫が見つかったことから約1200万人の爪水虫患者がいると推計されています。
また、60歳以上の高齢者では5人に2人が爪水虫を併発しているという調査結果があります。